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取扱説明書の不条理に陥らないために!

 かれこれ2年程前、我が家では、ビデオレコーダーからの映像が突如として映らなくなった。そこで、HD/DVDレコーダーを購入した。最初は、HDに録画した映像がVTRとは違って非常に鮮明であること、さらには、番組情報のデータを自動受信して、それで録画予約のプログラミングができることに感動した。(録画予約のプログラミングは、もしかしたら、何年も前にあった機能かもしれませんが・・・)
 それなりの「先進的な機能」にワタシは感動し、取扱説明書を片手に、こんな時にはこうすると、家族全員の番組予約を受け付け、録画する日々を送った。それはシアワセな時間でもあった。しかし、シアワセの時間は長続きしないのが世の常である。
 ある日、ワタシの許可を得ることなく、妻が「自分勝手」に、過去に録画したVTRを
HDに録画して、DVDにダビングしようとした。そのために、VTRの録画映像をドカドカとHDに録画していたのだ。当然、HDのデータ容量を使い果たし、なんにも録画できない状態となった。定期的にHDがいっぱいにならないようにメンテナンスをしていたワタシは、「DVDに落としておいてよ」と妻に話したところ、「やり方がわからないから、やっといて!」といわれ、「取扱説明書をみればわかるよ」となにげに返すと「そんなの読んでもわからないから、やっといて!」と語気の強い断定形。その後、ワタシは、DVDレコーダーと格闘する休日を過ごすことになってしまった。

 妻がいうには、「取扱説明書を読んでもよく解らないから、最初から読まない」ということがこのような行動を引き起こすとのこと。確かに、DVDレコーダーに限らず、携帯電話やデジタルカメラ等の取扱説明書は、懇切丁寧に書いてあるようには思えない。専門用語や固有名詞のオンパレードである。しかも、その前にやたらと分厚い。機能が充実している分、説明すべき内容も多くなるのは理解できるが、もうちょっとどうにかならないと、少なくともワタシの妻のように「ちょっとみて解らないと判断したものは、人にやってもらうか教えてもらう」という哲学?をもって生きている人には、無用の長物でしかないのだ。
 これは、IRコンサル・ツール制作を生業としている我々にとってもあてはまる。個人投資家の急激な増大がいわれて久しいが、その中で交わされている会話や情報・ツールはどうだろうか?専門用語や固有名詞のオンパレードになっていないだろうか?ROE、ROA・ROI・PER・BPR等がごく普通に記載されており、我々もそれをクライアントやアナリストとも目標や判断材料として会話をしている。しかし、一般の個人投資家の中には、このような基本的な指標ですら、「ちょっとみて解らないと判断したもの」になっていないかということである。

 最も、基本的な専門用語については、できるだけ勉強してから投資の世界に参入して欲しいと思うのが業界関係者の願いであるのはいうまでもないが、個人投資家の中には、妻のような哲学で人生を渡り歩く人も少なくないのも事実であろう。そのような個人投資家にも「投資の判断材料」となるべき情報は必要である。それは、なにも難解な専門用語や固有名詞を文章や図解で理解させることだけではないような気がするのだ。とかく、IRの世界では、理性的に明快に説明ができればOKという風潮が強い。しかし、それは、企業であれ、IRコンサルタントであれ、自己満足に過ぎない。本来の投資家とのコミュニケーションを視点に置くならば、「ちょっとみて解らないと判断したもの」を排除したものでないと意味を成さないとした方がよいのである。

 次回からは、「投資の判断材料」となるものを紐解いていきます。


大坪和博
 『金融から怪獣』をIR目線で日々研究してます

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2007年01月12日 10:36に投稿されたエントリーのページです。

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