企業のトップや役員の方、そしてIRご担当の方とお会いする機会が多いのは、以前も書いた通りですが、今回はその方達とのミーティングやちょっとした社内の様子から伺えるトップの立場と、その会社の多角化展開とがその後の株価とどう関連するかをお話しさせてもらいます。
先ずは良く見極めなければならないのは、陰のトップが居る場合があることです。もちろんトップを裏から操るということではなく、トップが頼りにする本格派参謀などがそれに該当します。「隠れ合議制」なのか、「隠れ実質ワンマン」なのかなどを見る必要があります。
1.トップがワンマンで多角化している場合:
「上下に激しく動く」
本業の状況を良く見極めることが必要です。その上で多角化やM&Aに本業とのシナジー効果がどう出るのか、収益獲得に向けてのロジックがあるか、競争優位性が何なのかなどを冷静に見る必要があります。
これらに納得出来れば、トップの号令一下(一家?)、事業の展開は速いです。しかし、逆もまた真なりとなります。
2.トップがワンマンで本業に特化している場合:
「短期的には上昇することが多い」
多角化やM&Aが思いのままであるワンマンのトップが、敢えて本業で突き進もうとする場合には、既にある基盤のお陰で短期的には成長が期待できます。しかし、確固たる意思決定によって本業に邁進する場合と、なんとなく本業でいっている場合とをきちんと見極めることが重要です。
3.合議制で多角化している場合:
「下落することが多い」
これだけ厳しい市場環境において、合議と多角化とは相容れない要素かもしれません。優れた戦略家はその組織で強い意見を持つようになるからです。従い、名実共に合議制の会社による多角化の意思決定は、失敗することが多いようです。
4.合議制で本業に特化している場合:
「目先横ばい」
ワンマンにせよ合議制にせよ、本業特化は短期的にはリスクは少ないようです。問題は「明確な意思に基づいているのか」と、「ゆで蛙にならないか」ということですが、合議制で本業に注力していて、何らかの成長の因子がある会社は、意見交換や軋轢の中で、上記3のようにいつかはリーダーが出てくるようです。その意味では、3,4というのは、1、2(適正なガバナンスは不可欠ですが)に至る過渡期的な姿なのかも知れません。
加藤正明(アレックス・ネット株式会社 代表取締役)
企業価値と投資価値向上の手段としてのIRを、より尖らせるべく奮戦中