IR資料の簡易評価法
企業から発信されているIR資料を見て、個人投資家はどのように投資の意思決定をすれば良いのか?これについて、長年IR支援を行なってきた観点から若干コメントを述べたい。
・市場の認識をきちんとしているか。
(これまでも何度か書いたが、先ずはこれがきちんと書かれているかをチェック。貴方の見方と乖離したからといって、評価を著しく低くする必要は無し。「違い」が確認できればOK)
・述べられていることを、英語で訳せられるか。
(別に英語に翻訳するのが目的ではない。要は主語、目的語などがきちんとしているか。日本語はこれらが曖昧でもそれなりの文章になることがあるから)
・戦略や戦術の5W1Hがきちんと述べられているか。
(単なる掛け声ではないか、数値目標や、具体的な方策、あるいは途中の目標などが設けられているかなどをチェック)
・施策実現の兵站要素まで述べられているか。
(やろうとしていることの実現に向けて、人、モノ、情報、金の調達などについて、具体的に言及してあるか)
・過去のプレゼンテーション資料との整合性を見る。
(今は事業環境の変化が激しいので、2年程度逆のぼればOKですが、半年前、1年前に言ったことに対して、引き継いでコメントしているか。頬かむりしていないかをチェック)
・決算短信と整合性がとれているか。
(よく練らずに説明会資料を作っている場合には、短信との整合性がとれていなかったり、唐突感がある)
・今起きている事実、現象の下に在る「大きなうねり、地殻の変動」にまで言及していれば、なお良い。
(貴方の意見と異なってもOK)
これらを見た上で、貴方の判断を最大限尊重して下さい。人気アナリストY氏も最近の著書で仰っていますが、個人投資家とプロのファンドマネージャーの勝率はほとんど変わらないか、個人投資家が勝っている場合も多いとか。虚心坦懐、明鏡止水の気持ちで見てみると、すーっと見えてきます。
加藤正明 (アレックス・ネット株式会社 代表取締役)