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2008年01月 アーカイブ

2008年01月08日

IR資料の簡易評価法

 企業から発信されているIR資料を見て、個人投資家はどのように投資の意思決定をすれば良いのか?これについて、長年IR支援を行なってきた観点から若干コメントを述べたい。

・市場の認識をきちんとしているか。
  (これまでも何度か書いたが、先ずはこれがきちんと書かれているかをチェック。貴方の見方と乖離したからといって、評価を著しく低くする必要は無し。「違い」が確認できればOK)
・述べられていることを、英語で訳せられるか。
  (別に英語に翻訳するのが目的ではない。要は主語、目的語などがきちんとしているか。日本語はこれらが曖昧でもそれなりの文章になることがあるから)
・戦略や戦術の5W1Hがきちんと述べられているか。
  (単なる掛け声ではないか、数値目標や、具体的な方策、あるいは途中の目標などが設けられているかなどをチェック)
・施策実現の兵站要素まで述べられているか。
  (やろうとしていることの実現に向けて、人、モノ、情報、金の調達などについて、具体的に言及してあるか)
・過去のプレゼンテーション資料との整合性を見る。
  (今は事業環境の変化が激しいので、2年程度逆のぼればOKですが、半年前、1年前に言ったことに対して、引き継いでコメントしているか。頬かむりしていないかをチェック)
・決算短信と整合性がとれているか。
  (よく練らずに説明会資料を作っている場合には、短信との整合性がとれていなかったり、唐突感がある)
・今起きている事実、現象の下に在る「大きなうねり、地殻の変動」にまで言及していれば、なお良い。
  (貴方の意見と異なってもOK)

これらを見た上で、貴方の判断を最大限尊重して下さい。人気アナリストY氏も最近の著書で仰っていますが、個人投資家とプロのファンドマネージャーの勝率はほとんど変わらないか、個人投資家が勝っている場合も多いとか。虚心坦懐、明鏡止水の気持ちで見てみると、すーっと見えてきます。

加藤正明 (アレックス・ネット株式会社 代表取締役)

2008年01月17日

子供目線で考えてみよう。

 2007年のキーワードは「偽」であった。昨日も、製紙会社トップが再生紙年賀はがきの古紙配合率を偽装していたと陳謝していた。本当にニッポンという国はどうしちゃったのかな?と思えるような陳謝の嵐の一年だったと思う。

 2008年では、年初からサブプライム問題で株安の状態が続いている。企業のIR担当者に聞いてみても、どの業界も元気がない。決してIRの最終目標が株価ではないとしても、やはり気になるものである。「どのようなIR活動をしたとしても、今の市況では反応が鈍いよね?」というのが、担当者の本音のようだ。

 そのような時に、ワタシはムスコからあることを学んだ。さすが、5歳の保育園児である。物事全てを本能でしか判断していない。好きなものは好き。キライなものはキライ。きれいなものはきれい。ばっちいものはばっちい。彼の発言は、親が教育し、誘導しない限り、思ったことを竹を割ったように話しだす。たかが子供のいうことじゃないか。と思うのは、既に俗世間にまみれてしまった大人の目線である。その目線で物事を行った結末が企業の不祥事の発端だったのではないだろうか?

 この位は大丈夫。この位ならきっと許されるだろう。こうしないと品質が保てない。しかも誰も損はしないじゃないか。私達が黙っていればわからないよ・・・・。嘘をつくことはいけないことだとムスコはいう。そのように保育園で先生が教えてくれたと、目を輝かせて自慢げに話している。自分達の幼少の頃も、たしかに周りの大人からそのように教わった。上場企業のトップやボードメンバーも、そのような人間としての基本的なことは、誰かが必ず教育してくれたはずである。

 今年こそは、昨年のような「偽装」に揺れた低レベルの企業不祥事のニュースはみたくないなぁと思っていたが、やはり「大人」の感覚でビジネスをしてはいけない時代かもしれない。幼少の頃のような純白な感覚、いいものはいい。駄目なものは駄目。という極めて簡単だが、勇気のいる決断を企業トップは求められている。それを誤ると、いくらいいIRをやっても駄目である。駄目なことをやった企業は、社会から退場を迫られる時代なのだ。

大坪和博(アレックス・ネット株式会社 取締役)
『金融から怪獣』をIR目線で日々研究してます

2008年01月31日

IRサイトレビュー:海外のユニークなサイトを紹介!

最近では国内のIRサイトも質、量ともにかなり充実してきた。様々なサイトランキングや評価基準が公表される中で、一定レベルを実現することはさほど難しいことではない。制度開示の充実で上場企業全体の開示レベルも底上げされ、比較可能性は格段に高まった。コンテンツが充実したら、次は見せ方・表現で差別化をしてみてはどうか。その意味で欧米のIRサイトはベストプラクティスの宝庫である。投資家の「痒いところに手が届く」
様々な工夫や事例を紹介していきたいと思う。まずはIR活動の様々な分野で優秀賞を受賞するGEに注目してみよう。

【今回の注目サイト!:ゼネラル・エレクトリック(GE)】

「株主プロフィールで自社の銘柄特性をアピール」
下記はGEのStock Information以下のOwnership Profileである。

http://www.ge.com/investors/stock_info/ownership_profile.html

株主判明調査結果は社内限りの情報と思われがちであるが、実は自社の銘柄をアピールする有力な材料となる。GEの場合は金融情報会社が提供する公表データをベースとした保有者情報を「機関投資家への集中度」と「投資スタイル」別に開示している。「集中度」からは、GEを保有する機関投資家の上位何社が何割を保有しているかがわかり、流動性の一つの目安となる。一方「投資スタイル」は、成長株投資、バリュー株投資、インデックス、インカム投資といった大項目別とさらにその詳細な分類別に機関数、保有比率、保有額などが開示されている。これを見るとGEは成長性、割安性の両面をあわせもつ銘柄であることがわかる。まさに自発的開示に客観性を付加できる有益な情報だ。


山本章代(アレックス・ネット株式会社 取締役)
海外企業のIRに詳しい。宣伝会議発行の「PRIR」誌に「海外企業のアニュアル・レポート解説」を連載(2005年4月~2006年4月)。

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