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2005年11月 アーカイブ

2005年11月02日

中国の経済事情-3

 前回に引き続き北京の平均収入の具体的な事情を見てみよう。調査によると、毎月の個人収入は、約50%の人が1,000〜2,000元、40%が1,000元以下、残りの10%が2,000元以上であるといわれている(1,000元は約14,000円に相当)。

 一人っ子政策は「小皇帝」という有名な言葉をもたらした。しかし、現在この「小皇帝」の教育が大変なものとなっている。この数年間で、中国都市と農村の個人預金の目的に関する様々な調査を行ったところ、どの地域でも子女の教育費用が第1位に挙げられている。北京に住む趙さんの娘は今年大学に進学した。趙さんによると、彼の子供は1999年に進学校と言われる中学校に入学したが、前後期制の学期ごとに少なくとも5000元の授業料を払わなければならないため、3年間の授業料が3万元(約42万円)に達した。さらに、普通の授業以外にも、かなりの生徒が補習授業を申し込んでいるので、年間の補習にも2,000〜3,000元が費やされている。一般家庭は、生活に困っていないが、教育にかなり苦戦しているらしい。(今月は中国の経済事情。次号につづく)

2005年11月10日

中国の経済事情-4

 先週、北京のタクシーに乗ったとき、ちょうど渋滞にはまったので、運転手と雑談をした。運転手の不満は北京の道路建設、都市企画から始まり、最後は収入に集中した。ガソリン高騰のため、毎月の収入が激減し、2000元(約28,000円)前後になってしまったとのことだが、本当のところ、私には現金で定期収入が得られるタクシー運転手などのような人はそんなに貧しいとは思えない。一番困っているのは1000元前後しか収入がない人ではないだろうか。北京、夜の街、ネオンが灯り、高級車がぞろぞろと走っている。2003年には既に中国の億万(人民元)長者は1000人に、百万長者は300万人になったといわれているが、13億の人口から見ると、この数は極一部でしかない。この裏でかなりの人が厳しい生活を強いられているのは間違いないだろう。現在、中国国内では「貧富の差」と「沿海部と内地との差」が大きい問題となり、社会不安定の種であるとも言える。もちろん、政府は「西部大開発」、「最低生活保障」などの政策を次々と打ち出し、貧富の差の縮小に全力を挙げている。しかし、この貧富の差が本当に消えるかどうかが疑問である。(次号からは中国の政治事情)

2005年11月15日

中国の政治事情-5

 今、世界の中で社会主義の国はほんの僅かしか存在しない。中国はその中でも、国土が広大でかつ最も社会主義を貫いている国である。しかし、八十年代から中国の社会主義は新しい段階に入った。これは_小平氏が1982年9月に提起した「中国特色の社会主義」である。「中国特色の社会主義」はマルクス主義の普遍的真理と中国の具体的現実を結び合わせて、中国が自ら創り出した社会主義であると言われている。この「中国特色の社会主義」の最大の特徴は「市場経済」の導入だと言えよう。農村部では「人民公社」が崩壊し、代わりに「生産請負制」が導入された。元々「市場経済」は資本主義特有のものと認識され、社会主義とはまったく相容れないと考えられていた。簡潔にいえば、毛沢東時代では絶対に許されない「私」という観念をこの時に全面的に認めたのである。この市場経済を導入した結果、中国の経済は大きな成功を収めたが、過去に提唱された「公」の精神が大きい打撃を受けたのも無視できない事実である。今、個人主義の膨張、共産党幹部の腐敗などにより、社会主義の中国が有史以来最大の困難に直面しているのは確かである。(今月は中国の政治事情。次号につづく)

2005年11月25日

中国の政治事情-6

 中国経済が発展したのは事実であるが、この発展の裏にはいろいろな問題点が現れている。前回話した腐敗問題以外では、国内民族問題や台湾問題も大きな課題となっている。中国では台湾問題を中国国内の問題として扱っている。日本政府も公式に一つの中国という政策をとっている。1972年の「中日共同声明」第三項には、日本政府は中国政府の「台湾は中華人民共和国領土の不可分な一部である」という立場を「十分理解し、尊重し」と書いてある。その為、中国向けの印刷物や資料、展示会のポスターなどでは台湾を中国の一部であると理解される表記方法にしないと手痛い問題が生ずる。
 
 しかし、現実的にはかなりの日本人が台湾を一つの国だと思っている。一部の政治家も同じ考えを示している。何を考えているのかは個人の自由であるが、ほとんどの台湾人は三、四百年前に大陸の福建省から移民してきた人々の子孫であるという事実は知っておくべきだ。台湾の有名政治家である李登輝、陳水扁、呂秀蓮なども皆福建移民の子孫である。現在、約2,300万ある人口の内、98%が漢民族であるが、その中の80%の人が福建省の方言の一つであるミン(門の中に虫という字)南語を使う。台湾の原住民は僅か2%程度である。(今月は中国の政治事情。次号につづく)

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