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2006年01月 アーカイブ

2006年01月06日

基本に戻る

昨年、IRで質問を多く受けた事項は、2つあります。一つは時価総額を高めるにはどうしたらよいかという永遠のテーマです。もう一つは説明会等を投資家に効果的に見せるのはどうしたらよいかということです。
見せ方は技術的なことですが、大切なのは第一の時価総額を高めるにはどうしたらよいかという点です。これは「基本に帰る」ことが一番なのです。時価総額を高めるための基本とは「さらなる利益の成長をもたらすビジネス展開」を作ることなのです。投資家が、企業に投資するのはその企業の利益が拡大するという「夢」があるからなのです。いくら割安に放置されていても「夢」のない企業は、投資する意欲もわきません。ですから万年割安に放置されるのです。成長する企業では、利益を社外に流失することなく社内に貯めておき、次の成長原資に使うことが投資家に報いる方法といえます。
一方の成長しない企業の場合は、利益を投資家に配当の形で還元することが投資家の要求にあっているのです。ですからできるだけ配当を高くするといったことで株主に報いるのです。
この基本に帰れば、時価総額は増加しますがこの基本が難しいのです。成長企業の場合は、利益の増加をもたらすビジネスモデルの構築が重要となりますが、これには競合相手も同様な行動をおこしますので、いろいろな対策をしなければなりません。このような問題が多々出てきますが、投資家に納得させるような収益モデルの構築が重要なのです。

2006年01月10日

伸びる企業

 生きている蛙を水の入った水槽に入れ徐々に水槽の水を温めてゆく実験があります。
 水温を急激に上げた場合、蛙は驚いて水槽から飛び出ますが、温度の上昇がわからないほどゆっくり上げていった場合は、蛙は逃げようともせずにじっとしているそうです。すると逃げるチャンスを失って最後には釜茹でになってしまうという話があります。徐々に水温が上がった場合、その水温に慣れてしまい逃げ出せなかったという教訓です。これを「茹で蛙セオリー」というそうです。生物には環境に適応する能力がありますが、この環境に適応する能力が返って身を滅ぼしてしまったということです。
 企業の場合でもこの蛙と同じことがいえると思います。事業環境が急変した場合は、これまでどおりのやり方では通用しなくなる、成長しなくなるという危機感から事業形態を改め、収益構造の転換を図かる企業があります。ところが、徐々に事業環境が変化した場合は、この変化は一時的なものだ、もとに戻るから今ひとつに辛抱だと思っているうちにどんどん環境は悪くなり気がついたらどうしようもなくなっていたということがよくあります。いい例がバブル経済崩壊後の日本企業です。もう少し辛抱すれば地価は回復すると思っているうちに不良資産の山ができました。戻り待ちに戻りなしです。
 企業は事業環境のなかで成長する生き物ですから、事業環境の変化に適応できなければ生き残れません。そのためには企業は事業環境の変化の予兆を的確にとらえると同時にそれにあわせた成長戦略を策定しなければなりません。そのためには「先を見る目」とその変化に対応できる柔軟性が必要になります。同じ事業環境にありながら伸びた企業とチャンスを生かせなかった企業と差はここにあると思います。

2006年01月17日

ホームページのチェック

 外国人投資家が投資行動を起す場合、まず証券会社のレポートを読み、面白そうであったらこの企業のホームページにアクセスするのが一般的でしょう。そのアクセスしたホームページに、求める情報の記載が全くなかったら、もしくは薄かったらどうでしょうか。
 ある日本企業のホームページをみて驚きました。英文のアニュアルレポートが日本語ホームページのところに日本語のタイトルでのっています。ところで英文のホームページを見てみると、この企業の英文のホームページにはIR情報がありません。会社の説明が主体となっており英文のアニュアルはありません。ですから日本語のできない外国人投資家(ほとんどの外国人投資家は日本語ができないと思います。)が英文のホームページにアクセスしても知りたい情報がありながら入手できないということになります。
せっかく英文のアニュアルレポートを作っていながら活用されていないということはもったいない話です。何のための、また、誰のためのアニュアルレポートなのでしょうか。企業のIR担当者はもう一度、ホームページをチェックする必要があると思います。

2006年01月18日

アニュアルレポート雑感

 アニュアルレポートで思い出しましたが、以前、あるIR会社から文章を書く仕事に興味あるかどうかという問合せがありました。そこでその会社にいったところ10名程度の人が集まっていました。どうも推測すると元新聞記者上がりの人ではないかと思われる人やライターの人ではないかと思われる人たちなのです。
 しばらくすると説明があり、ある企業のアニュアルレポートに記載する社長の巻頭の辞や営業の概況を文章にして欲しいという依頼でした。同時にライターにどの程度の筆力があるかをチェックするために書いてくれということもあったかと思います。一応、企業のデータや社長のコメントをもらいましたが、やめました。
ここで以前から思っていたことの疑問が晴れたのです。それは、アニュアルレポートを読んでも文章に力がないというか説得力がないのです。内容もnothing newで深い分析をしているわけではなくどうしてだろうと思っていたのです。多分、財務データの見方も知らないライターが、どこがポイントかもわからず美辞麗句をつなぎ合わせて作った文章なのでしょう。これでは投資家は説得できませんし振り向きもしません。
まず、文書はうまいに越したことはありませんが、内容のないアニュアルレポートでは金をかけて作っても無駄になります。ですから、同じ金をかけるなら文章で逃げるのではなく会社案内とは違った内容の充実したアニュアルレポートをつくる必要があると思います。

2006年01月24日

ライブドアショックはIR情報の重要性を再認識させる

ライブドアの一件で、投資の怖さがわかった個人投資家も多いはずです。投資事業組合、株式分割、株式交換をからめた錬金術にメスがはいったところですが、これからいろいろな事実が浮かび上がってくることでしょう。M&Aで大きくなった時代の寵児として堀江氏はもてはやされましたが、株式市場を利用して事業を拡大してきた企業が、株価の下落で危機を迎えるとは何とも皮肉な話です。
ライブドアの株式を信用取引に利用して信用創造をしていた個人投資家が多くいるという新聞報道があります。(私の知っている範囲で2名ライブドアの株式を保有していました。)昨今の状況から考えると、個人投資家の多くは、手ごろに儲かる株式投資を一つのファッションとしてみているようにも思えます。ファッションですから地道に調査研究はしません。値動きや材料に魅了され、儲かればよいという付和雷同的に投資をしているように思えてならないのです。
今回のライブドアショックで「やはり株式は怖い。」というマイナス思考もでてくるとは思いますが、株式の購入にあたっては投資家自身が実態のわからない株を買うより、やはり地道に情報収集をして銘柄分析を行い、ファンダメンタルズに基づいた投資を行おうという反省もでてくるものと思います。今回のライブドアショックは、企業のIR資料から情報をえて、一体、何をやっている会社か、これからこの企業はどうなるのか、投資家自身が考えるきっかけになると思っていますし、IR資料の重要性を貴人投資家が再確認するものと信じています。

2006年01月27日

リラックスゾーンを探す

人にはそれぞれ居心地のよい場所があります。リラックスできて仕事の憂さを忘れるために必要とされる心の落ち着く場所です。それが行きつけの飲み屋だったり、自分の部屋であったり、人それぞれに心の落ち着く場所が違います。この心の落ち着く場所が「リラックスゾーン」です。
その快適ゾーンが、ある日突然なくなってしまったらどうでしょう。例えば、行きつけの飲み屋がなくなってしまったり、突然、海外転勤の辞令を受けた場合です。「リラックスゾーン」がなくなってしまったのですから、心理的なプレッシャーは大変なものです。このような事態に遭遇すると気の休まる居場所を早急に探すか、快適な心の休まるゾーンを作らなければならないことになります。海外に移住した場合は心の休まる場所として祖国で体験したものと同じものを作り出します。これが海外での「日本人街」というコミュニティーになります。
「リラックスゾーン」が喪失した場合、同種の「リラックスゾーン」を探すか、作らなければなりませんが、いつまでもこれまでの「リラックスゾーン」に固執しているのも考えものではないでしょうか。「リラックスゾーン」がなくなったことを機会に、これまでの「リラックスゾーン」と違った次元の新たな心の休まるゾーンを探すこと、つまり、新しい環境に適合してより能動的にその環境を「リラックスゾーン」に転化することが必要になります。その環境にアジャストしてしまえば快適環境、つまり「住めば都」になるのです。
企業の場合もこれと同様だと思います。これまでの快適な経営環境から一転、経営環境が激変する場合があります。これまでの居心地のよい環境がなくなってしまった場合、これまでの経営環境を探し求めるのではなく積極的に新しい環境に適応して、その環境を新たな「リラックスゾーン」にすればよいのです。それには時間もかかりますし、努力も必要になりますが、一番必要なものは環境の変化に対する適合力、つまり若さではないでしょうか。

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